2024/8/30

お互いの活動を知り学び合う 公園愛護会研修会

堺市(大阪府)

みんなの公園愛護会では、地域の人々や公園ボランティアとともに、公園をより良くしようと頑張る行政の取り組みにも注目しています。

大阪府堺市で行われた公園愛護会研修会に、講師としてお呼びいただき、お話する機会をいただきました。その様子をレポートします。

公園愛護会研修会が行われるのは、2018年以来6年ぶりとのこと。コロナを経て久しぶりの開催という貴重な場にご一緒できて、私たちもとても勉強になりました。

制度も刷新、コロナ明け久しぶりの公園愛護会研修会

堺市では、公園愛護会のメンバーを対象に、愛護会組織の充実・愛護会の皆さんの交流・情報交換・より活発な愛護活動につながることを目的として「公園愛護会研修会」を開催しています。

堺市には、約1,200の公園があり、そのうちおよそ96%にあたる1,148の公園に愛護会があります。その歴史も古く、昭和37年(1962年)に「公園指導員制度」がスタート。その後「公園愛護会」に名称を変更し、60年以上続いています。また、2021年には「公園愛護委員」という個人への委嘱から、団体として登録する「公園愛護活動団体」登録制度に変更されました。公園愛護活動団体のサポートは、堺市公園協会が行っています。

制度が変わって初めて、コロナ明けで久しぶりの集まりとなった今回の公園愛護会研修会。当日は、とても暑い日となりましたが、会場となった堺市産業振興センターイベントホールに、196名の方の参加がありました。

(会場となった堺市産業振興センターのイベントホール)

講演:全国の公園ボランティアから知る愛護活動の楽しみ方

まずは会の始めにあたり、市内の活動団体全体を取りまとめる堺市公園愛護会 大町会長や、公益財団法人堺市公園協会 加勢理事長、堺市建設局公園緑地部 室谷部長からの挨拶があり、堺市公園協会から活動の手引きや制度に関する説明などが行われました。

その後、「全国の公園ボランティアから知る愛護活動の楽しみ方」として、みんなの公園愛護会代表の椛田よりこれまで取材したさまざまな事例の中から、堺市の愛護活動団体の皆さんの参考になりそうな事例をできるだけ多く紹介しました。

公園ボランティア活動は、地域のために役立つ活動であるほか、活動する本人の健康にもとても良い影響があること、さらには地域の人々の健康づくりにも貢献していること、楽しく活動を続けるためのポイントなどをお話させていただきました。

みなさんとても熱心に聞いてくださって、頷いてくださる姿も印象的でした。

(これまで取材や調査してきた全国のさまざまな事例や情報をご紹介しました)

活動紹介とパネルディスカッション

休憩をはさんで後半は、パネルディスカッションです。

「​​楽しく気軽に地域公園を守る・公園愛護のいろは」をテーマに、堺市公園愛護会 大町会長、堺区の向陵西町みこしぎく公園の宮内さん、中区の土師町ちどり公園の吉田さん、そして堺市公園協会の愛護会グループから岡部さんと鈴木さんが壇上に。椛田もご一緒させていただきました。

みなさんの公園での活動紹介とともに、意見交換会が行われました。長く続いてきた地域の活動をバトンタッチして受け継ぎ、子どもたちも一緒により多くの人が楽しく関われるよう工夫をされている公園、かつては暗くて危ない雰囲気だったところに花を植えることで地域の多世代の憩いの場として再生した公園、地域の人が先生となり昆虫採集のイベントをすることになった公園の話などが話題に上りました。

公園で花を育てたいという要望から「パートナーシップ花壇」制度の紹介がされたり、実体験としてのみなさんの言葉が力強く、会場からも共感やなるほどといった雰囲気が伝わってきました。

実施後のアンケートでも、とても多くの回答があり、イベントのテーマや内容に満足されていたとのこと。公園愛護団体同士のつながりや、公園協会・市役所とのコミュニケーションもますます活発になっていきそうです。

このような貴重な機会にご一緒させていただき、ありがとうございました!

堺市さん・堺市公園協会さんからのコメント

今回の公園愛護会研修会を実施しての感想をいただきました。

堺市 建設局 公園緑地部 公園監理課 係長 東野泰明さんより:
令和3年度から公園監理課に配属となり、愛護会の担当をしておりましたが、コロナ禍の影響もあり研修会の開催は初めてでした。椛田さんのご支援もあり、全国の活動事例を学ぶことができ、充実した研修会を行うことができました。本当に多くの市民の方に支えられてきた公園を、今後も活かし育てられるよう、愛護活動者の皆様や堺市公園協会とともに頑張っていきたいです。

堺市公園協会 愛護会グループ 鈴木美穂さんより:
日頃から公園で出会う利用者や活動者の方々からは他の愛護活動の方々の話が聞きたい!公園で世代間交流の場を提供してほしい!など沢山の方々が「地元の公園」に興味をもってほしいと考えています。約6年ぶりの研修会であり、平日にもかかわらず多くの方々が参加してくださいました。
今回は初めてのパネルディスカッションであり、選ばれたパネラーの方々は普段の活動や苦労話、参加者に活動している公園のPRをすることができて活動にやりがいと誇りをもっていただけた様です。
椛田さんの著書に書いてますように行政との情報交換を密に「常に活動者に寄り添う」支援サポートをしていきたいと考えます。

堺市の皆さん、堺市公園協会の皆さん、堺市公園愛護会の皆さん、どうもありがとうございました!

(会場受付の入口に、推しの公園本の紹介チラシも掲示してくださっていました)
(本番前、パネルディスカッションの打ち合わせをした楽屋スペースで)

【基本情報】

取り組みの名称堺市公園愛護会研修会
実施自治体堺市(大阪府)
事業の目的公園愛護活動の活性化と公園愛護会員同士の交流や情報交換
取り組みの詳細堺市公園協会のホームページをご覧ください
取材・執筆
取材・執筆
椛田 里佳 代表理事

子どもの頃から公園好き。母になってからは、子どもたちの声であふれていた近所の公園に、仲間同士で公園愛護会をつくりました。もっと楽しく明るく居心地の良いみんなの公園になるよう、ゆるやかに実験中。大手上場企業を経験した後、上海暮らしや、社会人向けスクール「自由大学」の学長を経て、子どもたちと家族中心の暮らしにシフト。夫を難病で亡くし、公園に関わる仕事に。京都大学農学部卒、名古屋市生まれ。

子どもの頃から公園好き。母になってからは、子どもたちの声であふれていた近所の公園に、仲間同士で公園愛護会をつくりました。もっと楽しく明るく居心地の良いみんなの公園になるよう、ゆるやかに実験中。大手上場企業を経験した後、上海暮らしや、社会人向けスクール「自由大学」の学長を経て、子どもたちと家族中心の暮らしにシフト。夫を難病で亡くし、公園に関わる仕事に。京都大学農学部卒、名古屋市生まれ。

みんなの公園愛護活動レポートに戻る