いつも遊んだり、散歩したりしている身近な公園。実は、行政の力だけでなく、地域の人々のボランティア活動によってキレイで安心な場所として保たれています。みんなの公園愛護会が行ってきた調査をもとに、公園ボランティアの「今」を分かりやすくご紹介します。
公園愛護会などのボランティアや、自治会町内会への業務委託など、地域住民が公園の日常の維持管理に関わる仕組みが多くの自治体に導入されています。
2025年 全国自治体編より
人口5万人以上の全国の基礎自治体を対象とした調査で、回答のあった340自治体のうち、325自治体、95.6%に公園等の維持管理に地域住民の関わりがあることがわかった。
公園等とは、都市公園や条例設置公園、児童遊園、市民緑地、及びこれらに類するものをさし、地域住民の関わりは、公園愛護会・アダプト・管理会・管理協定などのボランティアとしての関わり、および自治会町内会など地縁団体への業務委託を含む。地域住民の関わりを想定しているため、シルバー人材事業団や授産施設などへの業務委託は対象に含まない。
ほとんどのグループがやってるのは、ゴミ拾いと除草!落ち葉かきや花壇のお手入れも定番です。そのほか、公園を利用した地域交流イベントや、落ち葉の資源化(コンポスト)、自然環境の保全、コミュニティガーデンなど発展的な活動をするグループもあります。
2022年 公園ボランティア編より
80%以上の団体が、除草とゴミ拾いを行っている。落ち葉かきや花壇の管理、低木の管理、施設の破損連絡を行う団体も多い。地域のイベントや、高齢者など地域の声かけなど、公園の中だけでなく、公園を中心とした地域のコミュニティづくりに繋がる活動をしている団体も存在している。中には、雑草や落ち葉の堆肥化、里山や竹林・池管理、畑や農などのコミュニティガーデンといった発展的な活動を行う団体もあり、担い手の意欲や工夫が活動内容を広げていることがわかる。
公園ボランティア実態調査2022 公園ボランティア編ほぼ毎日、毎週、毎月などそれぞれ。8割以上が月1回以上活動をしています。美しく快適に保たれ、安心して遊ぶことができる環境を支えているのは、このように地域の人によるこまめなお手入れがあるからだと言えます。
2021年 公園ボランティア編より
毎月1回(34.7%)が最も多く、2週に1回(21.8%)、毎週1回(13.6%)と続いた。ほぼ毎日活動している団体や週3-4回活動している団体もあり、全体の約86.1%の団体が、月1回以上活動していることが分かった。2-3ヶ月に1回、半年に1回という団体もあり、それぞれのペースで活動していることが分かる結果となった。
このほか、団体としての基本活動以外に、個人的な活動をしている人も、71.1%いる。その頻度は、ほぼ毎日(20.7%)や毎週1回(16.6%)など、団体としての基本活動の合間に個人で活動をしているケースが多い様子。これらの個人活動は、行政への報告書には記載されない活動の実態と見られる。花壇の水やりや気がついた時のゴミ拾いなど、不定期にやっているという声もあった。
自治会や町内会をベースにしたグループが中心ですが、趣味のサークルや、学校、地域NPO、企業など多様なメンバーが活動しています。
2022年 公園ボランティア編より
公園ボランティア活動の担い手の大多数は「自治会・町内会」と言われているが、その中でも誰が活動しているのか?まで含めて聞いた設問。最も多かったのは、自治会・町内会の有志やOB。次に、全員で、老人会、役員と続いた。当番制で回している所や、子ども会、婦人会・青年会など、自治会の中でも公園活動への関わり方は様々である。自治会とは別で、近隣住民の有志・友人同士で活動する人々も一定数いる他、グランドゴルフやラジオ体操などスポーツや趣味の団体で活動をする人々もいる。様々な人が一緒に活動するケースも多い。NPO・ボランティア団体や、学校や保育園、企業、社会福祉施設など、地域住民以外の活動もある。
公園ボランティア実態調査2022 公園ボランティア編中心的なのは70代。60代から80代以上の高齢者も活躍しています。働き続ける高齢者の増加やライフスタイルの多様化で、地域活動に参加する年齢も高齢化しているといいます。退職後のシニア世代が多いですが、若い世代の参加もあります。公園育ては、子どもから高齢者まで幅広い世代が参加できる活動です。
2021年 公園ボランティア編より
各世代ごとにメンバーの有無を聞いた設問。70歳代のいる団体が最も多く、回答のあった団体のうち89.1%に70歳代がいることがわかった。次いで、60歳代(79.8%)、80歳代以上(63.7%)と続いた。0-10歳代がいるのは、全体の中で18.9%で、公園を最も利用していると考えられる子ども世代も一定数活動に参加していることが見える。
大規模な自治会・町内会のように、全世代がいる団体もあれば、70代と80代だけで構成されているシニアの団体、~10代と20代・30代・40代で構成される子育て世代中心の団体など、様々であった。
ゴミの回収、清掃用具やゴミ袋などの物的サポート、金銭でのサポート、ボランティア保険など、それぞれの自治体ごとに支援内容のメニューがつくられています。
2025年 全国自治体編より
地域住民の公園育てへのサポート内容として最も多いのは、ゴミや刈り草の回収(82.7%)。次に、清掃用具やゴミ袋などの物品提供(69.0%)、活動費・報償金等の金銭支給(57.9%)、活動中の保険加入(45.8%)、花苗や土・肥料の提供(41.5%)、草刈機など道具の貸出(35.0%)、看板の設置・PRグッズの支給(34.1%)、と続いた。
活動をしやすくするための用具庫や掲示板の設置、活動内容の広報や周知の協力、モチベーション向上のための表彰や団体間の交流促進支援、技術指導や研修会、専門家の派遣、情報誌の発行、イベント企画支援、公園利用に関する優遇など、さまざまなサポートが行われていることがわかった。
地域住民への業務委託についても、公園ボランティアと同様にさまざまな支援が行われていることが明らかになった。
地域のため、そして自分の健康と仲間づくりのために。地域貢献や社会的なやりがいだけでなく、「人と話す機会」「感謝される喜び」「体を動かす健康づくり」など、自分自身の楽しみにもなっています。
2021年 公園ボランティア編より
公園ボランティアのやりがいや嬉しいことで、最も多かったのは人と集まったり話す機会がもてる(54.6%)であった。次に、地域でひとつの役割をもてる(45.6%)、地域に貢献しているという手応え(42.9%)、公園利用者に感謝されること(41.2%)と続いた。同時に、子どもの喜ぶ顔や遊ぶ姿が近くで見られる(34.0%)、外出や体を動かす機会がもてる(33.2%)、顔見知りや友だちが増える(33.1%)というように、自分の楽しみや健康のためといった声もあった。花を熱心に育てている団体では、花や緑が好き、園芸の知識や技術を活かす場所があるなどの回答や、グランドゴルフチームなどでは、自分たちの趣味の活動で公園利用がしやすいことなどの回答も多く見られた。一方、やりがいや嬉しいことはない、義務感で行っているというコメントもあった。
公園ボランティア実態調査2021 公園ボランティア編活動によって、公園が気持ち良い場所になり、より多くの人が公園を利用することに繋がっています。また活動に参加することで、地域に友達ができたり、ウェルビーイングやフレイル予防など、維持管理コストの削減だけでなく、人々の健康や社会的な豊かさにも繋がる多層的な価値があるといえます。
2024年 全国自治体編より
1位は、地域住民による公園利用の活性化(83.5%)。次いで、地域コミュニティの活性化(79.1%)、街区公園の維持管理のコスト削減(74.3%)、まちの緑の質の向上(62.2%)、生きがいや居場所づくり(59.6%)が続いた。そのほか、地域における多世代交流の機会づくり、周辺地域の防犯(ともに41.7%)、子どもや高齢者などのご近所見守り効果(40.0%)、健康づくりや健康寿命を伸ばす(39.1%)も一定の効果があることが評価されている。維持管理コストの削減だけでなく、それ以上に地域住民による公園利用の活性化や地域コミュニティの活性化という点で効果があると多くの自治体担当者が捉えていることがわかる結果となった。
2025年 全国自治体編では、公園ボランティアがもたらす価値について、「行政の視点から」と「公園利用者や地域住民の視点から」さらに詳しく調査をしている。行政の視点からは、財政的なメリットだけでなく、公園の質や安全性を高める上でも不可欠であるという行政の認識を裏付ける結果となり、公園利用者や地域住民からみても、単なる労働力提供ではなく、精神的・社会的な豊かさをもたらす活動として捉えられていることがわかった。
全国共通の課題は「高齢化」と「担い手不足」。新しい人が入らないため団体全体が高齢化して活動が難しくなっていることや、メンバーが固定化して負担が大きくなったり孤独に感じモチベーションの維持が難しいこと、会長など役員のなり手がいないため継続が困難といったボランティア側の課題と、財源やコミュニケーション、職員の負担といった行政側の課題もあがっています。
2025年 全国自治体編より
ダントツで1位だったのは、参加者の高齢化・担い手不足(95.7%)で、回答のあった324自治体のうち、310自治体とほとんどの地域で高齢化と担い手不足が大きな課題になっていることが顕著に見える結果となった。次いで、新たな参加者の獲得(74.9%)、参加者のモチベーション維持(44.8%)があがった。現状の参加者が高齢化で減っている中、新たな参加者も現れず、残る参加者のモチベーション維持が難しいという切実な状況が伝わってくる。
そのほか、財源の確保(活動支援金、物品購入費など)(31.4%)、活動範囲や内容に関する自治体との認識のずれ(28.6%)、特定の人に負担が偏っている(27.0%)、住民間の意見調整や合意形成の難しさ(26.0%)、自治体職員側の負担(調整、支援事務、立ち会いなど)(23.5%)、活動内容の質の確保・専門性への対応(21.0%)、活動中の事故やトラブルへの対応(保険、責任範囲など)(15.6%)、住民への情報提供や周知不足(11.7%)、制度上の制約や手続きの煩雑さ(9.5%)など、さまざまな課題があることもわかる。
・支援制度のアップデート
・公園の利活用やルールづくり・まちづくりとの連携
・新たな仕組みづくり、パートナーシップの拡大 など
制度の見直しや関わり方のリデザインも含めた検討が各地で進んでいます。まずは既存の団体が活動しやすく続けやすくするための取り組み拡大、関係人口を増やしこれまで関わってこなかった新しいプレイヤーの参画を目指す取り組み、若年層やファミリー層の参加促進、公園の利活用やローカルルールづくり、公園を起点とした地域づくり、地元企業や学校など新たなパートナーとの協働、個人でも参加できるボランティアの入口づくりなど、さまざまなアクションが各地で始まっています。
新しい動きの参考事例として、これまでみんなの公園愛護会が取材した公園活動や自治体インタビュー、あわせて約180の記事の中から注目の取り組みをピックアップしてご紹介します。
それぞれの公園活動・自治体の取り組みは、どれも尊く素晴らしいので、選ぶのが正直難しかったのですが、「新しい兆しとして、こんな取り組みが全国に増えていくと良いのでは」という視点で評価しました。
公園ボランティア制度の有無や支援内容、もたらしている効果や抱える課題、注力している取り組みなどを定期調査
人口5万人以上の全国の基礎自治体 (計 515自治体)
レポートを確認する全国の市および東京23区 (計 815自治体)
レポートを確認する公園ボランティア制度を有する全国の自治体 (310自治体)
レポートを確認する公園を有する全国47都道府県内の市区町村 (1,346市区町村)
レポートを確認する神奈川県下の自治体 (全33自治体)
レポートを確認する現場の生の声(活動の内容、やりがい、困りごと、工夫、情熱など)を集積
全国36自治体で活動する公園ボランティア団体 (2,559団体) +インターネットによる自由参加
レポートを確認する全国37自治体で活動する公園ボランティア団体 (2,292団体) +インターネットによる自由参加
レポートを確認する神奈川県下 8自治体で活動する公園ボランティア団体 (1,175団体)
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