団体のタイプは、大きく2種類:一つは自治会・町内会などを基盤に仕組み化されて運営している大規模団体、もう一つは有志が少人数で活動している団体に分かれていることがわかった。30人以上の大規模団体は全体の35%で、数百人規模のところもある。年間計画で活動したり、当番制にしているなどシステム化されていることが多い。55%が20人以下の団体で、2-3人で活動している団体から、十数人程度のグループなど多様。自治会の中でも数人の有志が公園活動をしているパターンも多い。毎回の活動の参加人数は、約半数が6-15人程度であった。町内会の大規模タイプでも参加者が固定されているというコメントも目立った。活動は、多くが基本の活動としては毎月1回。その他、花壇や落ち葉清掃など内容や季節によって、高頻度で活動している団体もあった。公園清掃を日課にして毎朝活動している人の存在もある。
結成時期については、1960年代から活動している団体もあり、最近新規登録した団体もあった。全体の31%が10年以内、58%が20年以内にできた団体であることがわかった。結成の経緯については、公園の美化活動を希望して(28%)が最も多く、次いで自治体に依頼されて(26%)、公園ができた時に合わせて(22%)、既にボランティア活動をしていたが制度を知って(12%)と続いた。
会員の年齢構成について、会員はどのような年齢の人で構成されていますか?と年代別に人数を聞いたところ、70代が突出して多い結果となった。自治会町内会系では、70代が中心となって活動しているが、40-50代も確実に存在していることがわかった。70-80代のみで構成されている老人会の団体は、高齢化の時代でも会員数が減って60代の入会がないというコメントが複数見られたりもした。また、一番新しいメンバーが加入した時期については、回答のあった61%の団体で1年以内に新しいメンバーの加入があったことがわかった。
どのような活動をしているかについては、除草とゴミ拾いが最も多く、次いで落ち葉かき、半数以上の団体が低木の管理、花壇の管理まで行っていることがわかった。地域のイベントや子ども向けイベント、他団体と連携したイベントを行っている団体も一定数いた他、遊びの見守りや、高齢者など地域の声がけなど、地域の交流や防犯に貢献している団体もあった。公園清掃をメインにしつつ、多様な活動が行われていることがわかった。
会のメンバー同士のコミュニケーション方法について(複数回答可)は、直接会って(61%)が最も多く、ついで電話(46%)、メール(26%)、LINE(10%)と続いた。その他、自治会や町内会など組織の定例会議や、回覧、手紙などもあった。公園利用者への活動の告知方法については、回覧板(36%)が最も多く、町内や公園の掲示板の利用もあった。お知らせしていない団体も25%あった。少数ではあるものの、ホームページや、Facebook、LINEで活動PRをしている団体もあった。
活動のやりがいや、やっていて嬉しいことはどのようなことですか?(複数選択可)という設問に対して、最も多かったのは地域でひとつの役割を持てること(57%)。次いで、公園利用者に感謝されること(55%)、地域に貢献しているという手応え(53%)と続いた。この他にも、公園や地域の環境美化、防災に役立つ、普段話すことのない近隣の人と話す機会が出来ること、毎日会話できることがうれしい、高齢の方の様子が確認できる、子どもの遊び場をきれいで安全にしたい、きれいになると気持ちが良い、子どもたちが楽しんで遊んでいる姿がうれしい、健康に役立つ、など様々なコメントがあった。一方、やりがいなど全くないという寂しいコメントもあった。
活動している上での課題はどんなことですか?(複数選択可)という設問に対して、回答者のうち68%がメンバーの高齢化を挙げた。次いで、新規加入者がいない(32%)、一般参加者の呼び込みに苦戦(24%)と続いた。メンバーが減って活動に支障が出てきていることや、個人の負担が大きいことなども課題として上がっていた。新しい人が入らないため団体全体が高齢化して活動が難しくなっていることや、会長など役員のなり手がいないため継続が困難というコメントが共通してあった。高齢化に伴って、活動できる量が減り、新しい人を迎え入れたいが、どうしていいかわからない状況が見て取れる。ゴミの投棄やペットの糞被害等に関するコメントも一定数あったが、全体的には活動の内容よりも、継続・存続に課題が多い傾向があった。
「高齢化や担い手不足が課題であると多くの自治体で耳にします。会としてあとどのくらい永続できそうだと思いますか?感覚で結構ですのでイメージを教えてください。」という問いに対して、回答者の42%が問題がなければ永く活動できそうと答えた。24%が10年後には難しい状態になりそう、19%があと5年後くらい、10%があと2-3年ならと回答した。現在存続の危機を迎えている団体や、既に活動停止をしている団体もあった。詳しく見ると、組織的に活動ができているタイプの団体は、永く活動できそうと回答しているのに対し、新しい人の参加もなく長期間限られた少人数で活動している団体は、見通しが良くない傾向にあった。
行政からのサポートで助かっているものは、報奨金など(79%)、花苗の提供(38%)、ゴミ袋の支給(33%)と続いた。行政のサポートに対する要望は、現状満足しているのでとくになし(25%)が最も多く、それ以外には、ゴミ袋などの消耗品の提供(報奨金が多少減っても物品希望)(22%)、報奨金等の増額(現状すでに活動費が不足しているため)(21%)、ゴミの回収(15%)、事務書類の簡素化(15%)、清掃道具の提供(報奨金が多少減っても物品希望)(15%)、一般参加者を増やすためのサポート(13%)と続いた。
今後の活動として、できたらいいな、やってみたいなと思うことは何ですか?(複数回答可)という問いに対して、最も多かったのは、新メンバーの勧誘活動(34%)だった。次いで花壇の活動(29%)、高齢者の健康促進(24%)、清掃のレベルアップ(22%)、樹名板の設置(16%)、と続いた。防災イベントや子どもの遊びイベント、地域の交流イベントなど、清掃以外のイベント活動にも意欲的で、公園再整備に関することにも積極的な団体が一定数存在することもわかった。現状維持、特になしや類似する回答もあり、とにかく現在の活動を継続することにフォーカスしている団体もいることが見えた。