みなさま一年以上ぶりのご無沙汰です。イクシバはその間も毎週日曜日に東京都中央区晴海の公園で、洋光台の団地で、活動をしていました。(洋光台は2024年度のみ)
今回は新たな試み、ラジオ体操を実施しました。その様子をお届けできればと思います。
芝生の上で夏休みラジオ体操が最高なわけ
皆さん、地面の熱がどれほどかご存じですか?これは横須賀工業高校の写真のサーモグラフィをお借りしたものです。グラウンド部分の土部分と芝生の違いたるや!

でもね、土なんてまだマシ。アスファルト、コンクリート、さらに人工芝なんてすごい熱を吸収するのです。土の校庭を児童が裸足で走って火傷したニュースがあるわけです。他は10度−30度の差があると海外論文でも言ってました。
対して、我らが天然芝は植物。光合成もするし水も飲む生きてる子。葉は水を蓄えて蒸散し、さらに二酸化炭素も吸収してくれるし、本当にえらい子です。天然芝の表面温度は気温相当程度なのです。はだしで踏むとひんやりを感じます。
日本全国酷暑の夏。ビルとコンクリートに囲まれた中央区だから余計、なのかもしれませんが、もう朝10時過ぎたらスマホにチャリンと屋外作業危険の通知が来ます。夏は学校のプールも授業も出来ず、校庭で遊んではいけない日もあるそうです。こんな夏、日中、外に出にくい人はどうなるんだろう。奨励されているしクーラーの効いた部屋に引きこもっちゃうしかないのかな、孤独や孤立が深まったりしないかな・・・と無性に心配になってきました。
一方で、芝生公園の朝は快適なのです、裸足になったら夜露をまとう葉っぱがヒヤリとする。えっへん。・・・これはラジオ体操をここで行うことが使命のように思えてきました。きっといろんな人の幸せがそこに生まれるでしょう。
企画から生まれるまで
今年初めてラジオ体操を始めると(一応)きめました。そもそもラジオ体操の主催はたいてい町会や自治会さん、PTAがされていて、NPOが主催なんて初めてのことです。しかし、ラジオ体操会連盟さんに快く迎えていただけそうとの感触があり、同時進行で実施完遂するまでの条件を整えます。次なる懸案は運営チームづくりと資金です。
チームづくり
チームではなく1人でできることもあります。単発イベントなどは準備に時間をかければ一人でできないこともない。当日のお手伝いをしてもらえれば・・・しかしラジオ体操は長期で毎日やることです。一人で実施して途中病気になれば・・・?無責任なことはできません。ラジオ体操は運営にチームが必要。0を1にする仲間求む。
はじめ、イクシバチャットで呼びかけましたが、なかなか手が上がらない。「予定が空いてれば行きますよ・・・」と前向きな返答をくれるのですが、1になった後に手伝ってくれる感じです。0を1にして最後まで完走する力はなかなか集まりにくく、、、まずは1にする力、1になったら色んな人を巻き込んでしまうので、1をゴールまで絶対やり抜くという心意気を共有するチームが必要。
6:30はハードルが高いかなー、私一人では無責任に始められないな・・・と半ば諦め再度告知したところ、5年生の女の子からメールが来ました「私やりたいです!」。
よく言ってくれたと感激。5年生がチャレンジしようと思ってくれることに大人が泣き言言ってられない!彼女のお母さんに聞くと、最初は「私も行ける日があれば行きますから!」とのお返事。ここはもう一押し。彼女の好奇心とチャレンジを形にしましょう。
でも、やってくれるというけど私と彼女(5年生)で二人で交互にやるわけにはいかない。5年生に鍵を渡し倉庫の開け閉めの責任を負わせられない。彼女は精神的な支柱だが(←ちょっと大袈裟)、実際に責任者は大人がやらねばならぬのよん。
「お母さん、一緒に1ヶ月やり抜きましょ、でも決して無理な計画はしない、家族も自分も犠牲にしない。複数人で当番組みながらやるしチームワークでカバーし合えるようにする!!」と説明して。彼女のお母さんがまず「やる!」と決めてくれて、前に進める体制がどんどん整い、このほかにも力強く集まってくれたのが5人。私を入れて6人のチームが結成されました。
お互い初顔合わせのチーム。まだ見ぬものに飛び込むのは勇気がいるものです。5人に心から敬意を表します。
顔合わせの会からどんどんチームに
今年はイクシバ自体が赤字運営に転じる予想で、少ない蓄えを切り崩して運営しています。とても新規事業に回すお金はなく、小さく始めましょうとなりました。
ラジオがないならスマホに家のBluetoothスピーカーを持参すればいいんだと腹を括りました。しかし初顔合わせの時のその話をしたら、営業なんてしたことない方々ばかりなのに、近所を周り、チラシを配り、協賛金のお願いを、のべ3日暑い中回ってくれたのです。
イクシバらしく、『できる人ができる時にできる分量だけ』そのことをみんなが納得しながら、この生まれたばかりのラジオ体操プロジェクトの壁をどんどんスタート地点まで押してゆきました。
準備着々
幸運にも、前もって申請していた助成金が採択され(みずほ教育福祉財団様ありがとうございました)無事にラジオを買えました。さらに近隣の歯医者さん、生協さんが協賛さんになってくれ、チームお揃いユニフォームも揃えました。近隣のスタバさんも物品(サンプルのアイスコーヒー)で応援してくださり、いつも芝生育て作業に来てくれている郵便局の局長さんたちからは参加者への景品をいただきました。中央区からもカードと参加者への景品が支給されました。
スタッフワークでは、アイスコーヒー飲める日を参加者がわかるように、みんなで集まり手分けをしてカードに細工や書き込みをしました。その他ラジオ体操の練習会に参加したり、前の週にはみんなでリハーサル。準備の所要時間などを確かめました。


そしてようやくラジオ体操スタート!
実施すると、想像通り!『はだしでラジオ体操』は最高でした。体調は日々良くなるようでした。
10分弱のラジオ体操だけでは勿体無いので、その後10分の雑草とりにもいかがですか?と、はたらきかけました。毎週実施しているイクシバ活動のプチ体験です。最初は「どれ雑草?」「どれ芝生?」と言ってたみなさんも、夢中になってくれて、会期末が近づくにつれ、「終わりますよー」の号令に終われない人も続出。
土いじりの楽しさ、心地よさ、夢中になって終われない。これはイクシバでも同じ光景がみられます。正解の姿です。



途中途中のお楽しみ
スタバさんに体操カードを見せるとサンプルサイズの冷たいコーヒーをいただける日があったり、生協さんからは体にいいお砂糖を配られた日もありました。

ラジオ体操でのコミュニティ形成
運営メンバーはちゃんとイクシバらしさを考えてくれる方たちばっかりでコミュニティを作るということをよく理解してくれていました。
それもいつもの男性の多いアプローチの仕方とはまた少し異なるアプローチが見れて、参加者の満足に心配りをしてくれました。
来てる人に疎外感を持たないように、居場所感をもってほしいと人と人のご縁が繋ぐような声かけをしたり、一人で来てる子どもには毎回優しく声かけしてお手伝いをしてもらったり・・・そしてメンバー自身も日々喜びをもらってる様子で、本当に素敵なあたたかな空気感がラジオ体操会場を包んでいました。
終了後のアンケートでは知らない人だけど、顔をあわせてゆくうちに挨拶するようになったとの回答もいただきました。


最終日
景品は、子どもたちにはメンバー手作りのメダルを、大人にはまた雑草とりにきてね!と芝生ガール軍手が。郵便局の定規にタオル、区からボールペン。

最後は大団円でした!
最終回。メンバーのミーティングで一言ずつ話した時に「明日からも来ちゃいそう、皆さんともお馴染みになったし、さみしくなるな・・・」と言ってくれた言葉が、みんなの気持ちを代弁してくれていました。
5年生はこの経験を心に種まきして、いつか発芽させてくれると思います。大人はその日を楽しみにしてますよ!会期中も一つ一つ作業を覚えてくれて、小さな子を援助し、素晴らしかった!5年生のNちゃん、口火を切ってくれて本当にありがとう!あなたの決断は関わったみんなを幸せにしてくれましたよ!

ラジオ体操の事をもっと知りたい方はこちらもどうぞ!▼
初!はだしラジオ体操レポートと参加アンケート結果(イクシバ!ブログ)