地域の公園ボランティアを紹介するコーナー「となりの公園愛護会」。様々な活動をする皆さんにお話を伺って、その知恵やアイデア・情熱をシェアしています。第10回は、オリジナルTシャツを着てわきあいあいと活動する、こんな愛護会。
小学校のすぐ隣にある公園で活動する愛護会
連携協定を結んでいる茅ヶ崎市の愛護会さんから、こんなおたよりが届きました。
今回、おはなばたけを市の公園緑地課の協力を得て新しく創りました。当公園は小和田小学校の北側にあり、親子づれ、小学生、保育園児等が、たくさん遊びにきます。砂場とか遊具を使い遊んでいますが、ここに花壇を創り潤いをプラスしました。更に、大、中、小のじょうろを設置して親子で又、園児達が楽しく、お花を慈しむ心を養ってもらえれば。と考えています。当愛護会も10年が経過し、記念にTシャツを作りました。
おはなばたけとは?愛護会Tシャツ?と気になることが沢山あったので、お話を伺いにいってきました。
茅ヶ崎市にあるスマイルパークこわだ。小和田小学校すぐ隣にある公園です。園内には、砂場・滑り台といった遊具と、体を動かせる健康器具が設置されています。敷地半分が芝生で残りの半分が砂というのもなんともユニーク!近くにある保育所の子ども達が散歩途中に、そして小学生が放課後によく遊びに来るんだそうです。毎月第一月曜日に活動していらっしゃるとのことで、早速訪問してきました。
愛護会メンバーは自治会の役員経験者やご近所にお住まいの方々。代表の雫石さんと参加されていた皆さんにお話をお伺いしました。
花壇が「おはなばたけ」になったワケ
「花壇をずっとつくってみたかったんだよね!みんなの癒しになってほしいと思います」と雫石さん。市役所と相談しながら、花壇の枠を作り、土を入れ、花を選び、看板も協力して作ったそうです。フェンス沿いの場所を選んだのは日当たりが良い上に、外からも見える場所だから。以前この場所に植っていた草花は園内の別の場所に移動させたそうです。
公園に遊びにやってくる子ども達にも花を慈しむ気持ちを育んでほしいと工夫がいっぱい詰め込まれています。名前は子どもでも読めるようにひらがなで「おはなばたけ」。看板は愛護会メンバーお手製のイラストを添えて、分かりやすく可愛いデザインに。そして誰でも水やりできるように、大・中・小のサイズ違いでジョウロも3つ設置されています。
利用者の視点に立ち、細部まで考えられた「おはなばたけ」。公園の新たな名スポットとなりそうです。
お祭りの神酒所(みきしょ)が地域の公園に
元々使われなくなっていた畑の土地を、お祭りの時に神輿が休憩して飲み物などを振る舞う神酒所として利用するために、自治会が草刈りをしたのが、公園の始まりとのこと。それ以降、自治会OBが公園の清掃などを受け継いできました。茅ヶ崎市の公園愛護会制度がスタートしてからは公園愛護会としての活動に。参加メンバーに自治会の縛りはないようです。
「先に参加していた人が近所に住んでいてね、誘われたんだよ。それで参加し始めたの。自分から参加しますとは言わないけど、誘われると、いいよって言う人は多いんじゃないかな?」そんなきっかけから、かれこれ2年は参加しているという方もいらっしゃいました。10人前後いるメンバー達は毎月1回の定例活動日に予定が合えば参加するスタイル。「無理せずに参加してもらってます」という雫石さんの言葉と、公園に着き次第各々作業を始めるマイペースな雰囲気が、マッチしていました。
ちなみに、スマイルパークこわだは、土地を持ち主から市が借り受けて公園として利用する「借地公園」とのこと。用地を取得して整備する通常の公園とは少し成り立ちが違うので、名前もこんな風にユニークなんだとか。遊びに来ていた小学生が「おーい、スマイルパークにいるよー!」と、友だちに向かって呼びかけているのを見かけて、こちらもつい笑顔に。老若男女問わず、みんなに愛されているんだなと思わずにはいられませんでした。
受け継いできた芝生管理
敷地の半分が芝生のため芝のメンテナンスも活動日に毎回行われています。芝の管理は先代の先輩が本を読んで研究したそう。冬の間には、土に穴をあけて肥料がよく浸透するようにするスパイキングや肥料をまいており、10年経ち安定してきた最近では、養生期間などはなくしてずっと遊べるように開放しているとのこと。訪問した日もメンバー2名が芝刈り機でせっせと芝刈りされていました。
10周年記念を祝ってオリジナルTシャツを作成!
昨年愛護会発足から10年を記念してつくったオリジナルTシャツ。半袖長袖の2タイプがあります。草木の剪定作業を行うのもあって長袖は重宝するんだそう。前後ろに愛護会名と自治会名が、左右の袖にはスマイルパークのニコちゃんマークと自治会ロゴマークが入るこだわりのデザイン。
「これを着てまた10年頑張っていきます!」と意気込んでいらっしゃいました。メンバーの皆さん、オリジナルTシャツを着て公園に集合し、休憩のおしゃべりも挟みながら、わきあいあいと作業する姿がとても楽しそうでした。
安心安全な公園づくり
学校近くということもあり、多くの子ども達が遊びにくるスマイルパークこわだ。以前、園内にあった愛護会物置をより安全な場所へ移動させたり、見通しを良くするために坂道との間にある植栽の剪定を市に依頼したりしているそうです。また、入口近くのベンチには、園内の忘れ物を置いておく忘れ物コーナーもあり、子ども達に沢山遊んでいってほしいと思うからこその工夫が公園の至る所で見受けられました。
午前中遊びにくる保育園児や親子連れ、下校後遊びにくる小学生、週末遊びに来るファミリー。いろいろな人のことを思って、みんながいつも安心安全に気持ちよく遊べるよう、様々な気配りをされているのが印象的です。
楽しく過ごせる地域の公園であるために
活動の楽しみやモチベーションは何ですか?とお聞きすると、「やっぱり利用者が増えるのは嬉しいですよね。」と雫石さんは答えてくださいました。
普段の遊び場としてはもちろん、ここ5年ほどは自治会主催で七夕まつりも公園にて開催していたそうです。短冊へのお願い事書き、ジュース配りを行い、近所の子から地域の隔たりなく200人ほどが参加するイベントだとか!そういったイベントが行われる公園は子どもにとっても、地域の思い出の公園となることでしょう。
地域のみんなが日々の中で楽しく過ごせる公園であるために活動していらっしゃるんだなぁと色んな方にお話を伺いながら感じました。
【基本情報】
団体名 | スマイルパークこわだ愛護会 |
公園名 | スマイルパークこわだ (茅ヶ崎市) |
面積 | 520m2 |
基本的な活動日 | 毎月1回 第一月曜日 |
いつもの活動参加人数 | 10人前後 |
会の会員数 | 13人 |
活動内容 | ゴミ拾い, 除草, 低木の管理, 花壇の管理, 植物の水やり, 施設の破損連絡 |
設立時期 | 2010年(平成22年) |
参加者イメージ | シニア中心 |