2022/8/10

楽しくをモットーに。地元企業と住民がまちの庭のように:つくばイクシバ!

竹園西広場公園(つくば市)

あちこちの公園ボランティア活動を紹介するコーナー「となりの公園愛護会」。今回は、自分の家の庭かのように愛着をもって公園で芝生育成を楽しむ、こんなみなさん。

地域の企業と取り組む公園活動

以前となりの公園愛護会でもご紹介した、芝生を育てることに特化した公園ボランティアグループ「育てる芝生〜イクシバ!プロジェクト〜」。この育てる芝生〜イクシバ!プロジェクト〜から芝育てのノウハウを教えてもらい活動しているのが、今回取材した「つくばイクシバ!」です。この団体、実は地域の企業が活動の中心となって参加しています。これまでとはまた違う、新しい公園活動と地域の繋がりが見えてきました。

(作業中はつくばイクシバの看板を掲示、何してるんだろう?と思った方への説明も)

茨城県つくば市にある竹園西広場公園(たけぞのにしひろばこうえん)。つくばエクスプレスつくば駅から徒歩約10分です。面積のほとんどが芝生広場で、広場中央には滑り台としても楽しめる丘があります。隣にはつくば市で有名なパン屋さん「パン工房クーロンヌ」が併設されており、ピクニックするにはもってこいな公園です。

こちらの公園で活動しているのは、「つくばイクシバ!」の皆さん。フカフカの芝生を育てることに特化した公園ボランティアグループです。

フカフカの芝生づくりのための雑草抜きでリフレッシュ

活動は毎月第2土曜日の朝8時50分から始まります。

(オリジナルビブスを着てスタート!)

この日の作業は、雑草取りと施肥。私も雑草取りに挑戦しました。一見、同じ緑の草なので芝生と雑草の見分けが難しいですが、抜いてみると縦に根を張る雑草と横で繋がっている芝生で、根の張り方が違うとのこと。「抜いてみて違ったらそっと戻してね」と教えてもらいました。テコ付雑草抜きを使うと、力も少しで作業できます。バケツに雑草が溜まっていく快感もあり、無心で雑草抜き、ハマってしまいそうです…!

参加メンバーにも雑草抜きがしたくて参加しているという方がいらっしゃいました。平日窓のない部屋で仕事しているため貴重な日光浴も兼ねて参加している方は、雑草抜きがしたりないとのことで、全体が解散した後も1人黙々と作業を続けていらっしゃいました。なんという雑草抜き愛!

(みんな夢中になって作業中)

施肥は肥料撒きマイスターの中学一年生が担当。肥料散布器に粒状肥料を入れて全体へ撒き散らします。

(スプリンクラーのように撒き散らされます)
(結構大きい肥料ですね!)

マンションの再整備とともに生まれ変わった公園

竹園西広場公園は隣接するマンションの開発に伴い、2019年にディベロッパーの株式会社フージャースホールディングスの下、リニューアル。フージャースは、整備計画当初から公園をどうより多くの方に使ってもらえるか検討し続けていました。以前は砂地の素朴な公園だったそうですが、芝生広場や滑り台のある丘を整備し、リニューアル後は子どもやファミリーでの利用が増えたそうです。

人々を惹きつける大きな魅力である、綺麗な芝生をどう持続させていくか考え、見つけたのが東京都中央区で活動する、育てる芝生〜イクシバ!プロジェクト〜でした。こうしてイクシバ!をアドバイザーとし、竹園西広場公園でも近隣住民が芝生育てを行う「つくばイクシバ!」がスタートしました。

当時はフージャースの社員さんが代表となり活動を始めましたが、現在は地元企業の一誠商事株式会社へ引き継がれています。

(隣のマンション)

隣にあるマンションと公園の関わりはとても密接で、このマンションに住んでいます、という活動メンバーも結構いらっしゃいました。肥料撒きマイスターの中学一年生もその1人です。小学高学年の頃に、お母さんから活動のことを聞いて参加し始め、現在は友達と参加しています。芝生は強くて、おもしろいとのこと。

(2人とも小学生の時から参加しています)

企業で取り組む公園活動

つくばイクシバ!現代表の田﨑洋子さんと、副代表髙橋正義さんにお話しをお伺いしました。

(左:田﨑洋子さん、右:髙橋正義さん)

田﨑さんは、つくばイクシバ!の企業スポンサーである一誠商事株式会社の営業企画課に所属していらっしゃいます。公園のすぐ近くにオフィスをもつ一誠商事株式会社ではつくばイクシバ!の活動をCSRとして取り組んでいるということで、田﨑さん以外の社員さんもよく活動に参加されているんだとか。

これまでなかった地元企業として取り組む公園活動、活動の役割分担や実態が気になります!

「一誠商事株式会社の営業企画課で主につくばイクシバ!の活動に参加しています。私以外にも課のメンバーが公式ツイッターを更新してくれたりと、役割を分担しています。また新入社員研修として活動参加を取り入れたり、社内での活動告知も頻繁に行っています。それをみて参加してくれる社員もいますよ。」と田﨑さん。

(Twitterでは、分かりやすくリアルタイムに活動について発信!)

特定の部署や社員だけが関わるだけでなく社内全体として活動を浸透させる取り組みを色々と行っていることが分かりました。田﨑さんは、会社の企業理念が活動と一致しているので、自分が異動になっても会社として活動に取り組み続けるだろう、ともおっしゃっていました。

企業だからこそできる長期的に様々な人を活動に参加させるきっかけ作り、とても可能性がありそうですね。

自分の庭を手入れするように。

副代表の髙橋さんは、隣のマンションにお住まい。部屋のベランダから公園の様子が見えて、ついつい芝生の様子が気になってしまうそう。

どういう思いで参加されていますか?と聞くと「自分の庭がきれいな方がいいなという思いですかね。芝生でゴザひいて寝転がった時、すごく気持ちよかったので、それがいつでもできるといいなぁと。一生懸命やっている感じは特にないかな。近くにあるからたまたまやってるくらいの気持ちですよ」

(ご近所さんとおしゃべりしながら作業)

田﨑さんも髙橋さんも口を揃えていうのは、「楽しくをモットーに。」みんな芝生管理の素人なので、気負わず、楽しく取り組むことを大切にしているんだとか。

環境が違えば手入れも違うため、手探りで取り組むのが基本。育てる芝生〜イクシバ!プロジェクト〜の尾木さんからアドバイスをもらったり、公園管理を担当するつくば市役所ともよく連絡をとったり、いろんな方のアドバイスを参考に進めていらっしゃいました。

作業終わりの「プチトーク」もその思いの表れです。

活動後、ゴザを敷いてみんなで公園や活動についてフランクに話す会があるのですが、実際に活動しているメンバーだからこそ感じたことやアイデアをシェアし、よりよい方法を探っているんだそうです。

(丸くなってプチトーク)
(ゴザはどなたでも借りられますよ)

この6月にはつくば市の緑の表彰で市長賞を受賞した「つくばイクシバ」。

行政だけでなく、住民、企業、関連団体といったいろんな人々と関わりながら進める新しい公園活動の取り組み方に思えました。公園でのイベントや地域企業との取り組みなど、今後の活動に目が離せません。

[茨城新聞]「緑化活動で景観向上 5団体1企業を表彰」 >> 一誠商事(株)お知らせ

(公園の大部分が芝生広場です)
(日陰の休憩場所)
(公園に隣接するベーカリーカフェ)
(ベーカリーカフェにもつくばイクシバ!が紹介されています)

【基本情報】

団体名つくばイクシバ!
公園名竹園西広場公園 (つくば市)
面積9,260 m2
基本的な活動日毎月第2土曜 9:00〜12:00頃
いつもの活動参加人数15人くらい
会の会員数会員というくくりはなし、昨年1年間の累計参加人数は約200名
活動内容芝生育成、愛護会活動のPR、新メンバーの募集や勧誘、子ども向けイベント、遊びの見守り
設立時期2020年
参加者イメージ子ども / 若者 / 子育て世代 / その他大人
活動に参加したい場合は活動当日に公園へお越しください。作業内容や雨天中止連絡はツイッターをご覧ください。

(取材・執筆:高村南美)

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