大阪公立大学の学生が、大阪市の公園愛護会の皆さんの活動を紹介する「大阪となりの公園愛護会」。公園の利活用やランドスケープ設計を学び研究する学生の視点で、公園ボランティア活動を紹介します。
今回、取材に訪れたのは、大阪市福島区にある吉野町公園(よしのちょうこうえん)です。
グラウンドや藤棚もある、人が集う公園
吉野町公園にはJR野田駅、大阪メトロ玉川駅から歩いて10分ほどでアクセスすることができます。すぐそばに交通量の多い北港通がありますが、平日の朝ということもあり、公園内は落ち着いた雰囲気で、ゆったりとした空気が流れていました。
公園に入ると、色づいたケヤキが出迎えてくれました。園内には砂場やすべり台、鉄棒といった遊具が整備されています。広々とした空間では子どもたちがボール遊びをするなど、遊び場として日常的に利用されている公園のようです。取材日には、朝から犬の散歩をする方やグランドゴルフを楽しむ方、ベンチで休憩している方も見られました。早朝にはラジオ体操も行われるなど、多くの人に親しまれているようです。
公園の横にはグラウンドが併設されており、今年6月にリニューアルオープンしたばかりです。近くの保育園の運動会や、子どものソフトボール・サッカー教室などの用途で利用されています。


公園の一角には、立派に茂った藤棚があります。福島区の区の花は「のだふじ」。のだふじは昔からその美しさで知られ「吉野の桜・野田の藤・高雄の紅葉」は日本の三大名所と言われるほど。新五千円札のデザインにも採用されています。
福島区では、公園や区役所、学校など様々な場所に藤棚が設置されています。区のホームページには、のだふじの見どころMAPや開花状況が掲載されており、地域として力を入れている様子がうかがえます。吉野町公園の藤棚も、春には美しい花を咲かせるそうです。


こちらの公園で活動をされているのは吉野町公園愛護会の皆さん。代表の森﨑收元さんをはじめ、会の皆さんにお話を伺いました。

地域をよりよくするための工夫、 愛護会から広がる輪
11月半ばの活動は主に落ち葉拾いとごみ拾いです。きれいに色づいていたケヤキも、散ってしまうと掃除が大変。枯草と一緒に、大量の落ち葉を熊手で一気に集めます。特に子どもたちがよく遊ぶ砂場や遊具周りは、入念に行っているとおっしゃっておられました。これから冬になるにつれて、葉が落ちるようになるともっと大変になりそうです。


公園内だけでなく、グラウンドに落ちているごみもくまなくチェック!お弁当や傘、ペットボトルといった、大きいごみがよく落ちているそうです。特にグラウンド利用後に落ちていることが多いとおっしゃっておられました。
広いグラウンドは手押し車を押してごみと掃除用具を運びます。なんとこの手押し車、折りたたんで収納できるという優れものです。

公園内では、以前はタバコの吸い殻がよく落ちていたそうです。連合町会で禁煙を呼び掛けるポスターを作成し貼ったところ、効果あり!「ポスターができてからは吸い殻が減ったように思う」とメンバーの方がおっしゃっておられました。

活動に参加した方々に参加賞(歯ブラシやポリ袋、スポンジなどの生活用品)を用意しておられるようです。消耗品は毎日の生活の中で必ず使うものなので、本当にありがたいですよね。細やかな配慮が伝わります。

愛護会のメンバーは、主に町会の班長さんや役員さんです。活動開始より30分も前から掃除をされる方や、遊具の清掃を進んでやる方もいらっしゃるようです。
また愛護会のメンバー以外にも自主的にトイレ清掃をされているボランティアの方がいたり、立派な花を咲かせる藤棚も、地域の方々の手によって管理されているようです。用具入れには、藤棚の手入れに使う脚立も備えられているとのことでした。
「地域を綺麗にしようという意識の人が多いんじゃないかな」と語る森﨑さん。公園を自分たちの庭のように大切にするその思いが、愛護会だけでなく地域の皆さんで広く共有されているのは素敵です。
視野広く、自らの行動で周りを引っ張る
精力的に活動されている森﨑さん。愛護会の会長になってから既に20年ほどになります。連合会長や町会長も長年勤められており、先ほどの禁煙ポスター作成にも森﨑さんが関わっています。活動日以外にも公園に足を運び、清掃をしておられるとのことでした。
また、グランドゴルフをしている方に頼まれ、公園事務所の担当者と協議しながら用具入れを設置したり、子どもたちのボール遊びでへこんでしまったと、掃除用具入れの場所を変更したりと、公園の利用者や状況に応じて細やかに対応してこられたお話をいろいろ教えてくださいました。
お話を伺う中で、言葉の節々から利用者のことを思って行動されていることが強く伝わってきました。公園事務所との対話も積極的に行い、「公園を共によくしていこう」という前向きな姿勢を感じます。
更に、アメリカやカナダ、中国、北欧、スイスなど、これまで訪れた国々の話も聞かせてくださいました。フランスの空港の芝生で野兎を見かけたことや、アメリカ西部の黄葉を見に行ったことなど、海外の公園や自然についての興味深いお話からは、緑地やそこで過ごす人々に対する並々ならぬ関心が伝わってきます。「外国に行くと、日本に住んでいるだけではわからないことがたくさんある」。その言葉通り、豊かな経験と視野が、地域や公園への思いを深めているのではないかと感じました。
そんな森﨑さんに活動のモチベーションを尋ねると、「トップは先頭に立ってやらないと、みんながついてこないからね」とにこり。自ら積極的に動き回り、背中で示す姿勢こそが、地域の人々を動かし、公園を大切にする輪を広げているのだと思わされました。



【基本情報】
| 団体名 | 吉野町公園愛護会 |
| 公園名 | 吉野町公園(大阪市福島区) |
| 面積 | 7,386 m2 |
| 基本的な活動日 | 毎月第2月曜 8時半~ |
| いつもの活動参加人数 | 8人ほど |
| 会の会員数 | 10人ほど |
| 活動内容 | ごみ拾い、除草、落ち葉かき、低木の管理、利用者へのマナー喚起 |
| 設立時期 | 70~80年ほど前 |
| 主な参加者 | 町内会の役員さんや班長さん、ご近所の方 |
| 活動に参加したい場合は | 活動日に公園におこしください! |