日本公園緑地協会さんの発行する機関誌『公園緑地』、今月発行の第82巻2号に、みんなの公園愛護会の取り組みが掲載されました。
「公園緑地」は地方自治体や学界・業界の方々向けの機関誌で、私たちは「挑戦者たち」というコーナーでピックアップいただき、寄稿したというものです。
今回のテーマは 「ICTと公園」ということで、みんなの公園愛護会の仲間でもある一言太郎の論説「公園をどうやって把握するか〜AI画像解析の可能性〜」があったり、協定を結んでいる茅ヶ崎市さんの公園情報アプリPARKFULの導入や公園愛護会支援に関する取り組みが事例として紹介されていたり、ご縁を感じずにはいられない号でした。
以下、記事の内容です。
公園ボランティアを応援します
We support park volunteers
一般社団法人みんなの公園愛護会 椛田里佳
●はじめまして「みんなの公園愛護会」です
私たちは、地域の小さな公園が充実し、豊かであり続けるために、地域の公園を支える市民ボランティアを応援する団体として2020年スタートしました。公園愛護会やアダプトをはじめとした公園ボランティア活動の啓発と、担い手および担い手を支援する行政のサポートを目的として活動しています。
●プレイヤーの視点で一緒に考える
私も、自分の暮らす街で友人たちと一緒に、公園愛護会の活動をしています。まだ手探りのことも多いですが、やってみると、楽しくて、奥が深い!季節ごとに様々な驚きや発見があります。
同時に、やってみて気がついたのは、何十年も前から全国各地の公園でボランティア活動をしている人たちが大勢いて、そのおかげで気持ちよく公園が使えているということ。でもそれを知る機会は少ないこと。
この公園ボランティアの活動にもっと仲間が増えたら、そして、みんながより充実した活動を続けることができたら、という思いを団体の活動に繋げています。
●まずは知ること、聞くことから
市区町村ごとに制度が作られている公園ボランティア。まずは現状がどうなっているのか調査をするところから始めました。昨年は神奈川県で、今年は全国の自治体を対象に、公園ボランティア制度の有無や支援内容、活動団体数や課題などを聞く調査を実施(全国調査は今まさに進行中)、また公園ボランティアの担い手を対象に、活動内容や頻度、メンバーの年代や課題・やりがいなどを聞くアンケート調査を行っています。
調査では、たくさんのリアルな声が集まっています。見えてきたことは、共通の課題として捉えられている「高齢化と担い手不足」の奥に潜んでいるのは、「メンバーの固定化や対話不足」ではないかということ。
継続的に声を聞きながら公園愛護会の支援をしていくことを目的とした自治体との連携協定もスタートしました(神奈川県茅ヶ崎市と3月に開始)。
●情報や知恵をシェアしていく
活動を知ってもらうこと、新しい人が参加しやすい工夫、子どもも大人も多世代で活動しやすい工夫、多くの課題に対して、問題解決のヒントは現場にあるのではないかと考えています。誰かの経験や知恵が別の誰かの助けになったり、共感が力を生んだり。その中で私たちにできることは、さまざまな情報や活動の魅力を多くの人にシェアしていくことだと思っています。
その取り組みのひとつとして行っているのが、公園ボランティアの事例紹介です。他の参考になる活動やユニークな活動をしている団体を取材して紹介する「となりの公園愛護会」というコーナーですが、じわじわと人気が広がっています。
●情報でつながる地域の公園コミュニティ
それぞれにあまり繋がり合うことのなかった、地域に根ざした公園ボランティアですが、情報や経験をシェアしていくことで、お互いの活動がより良いものになったり、活動を自慢しあえる仲間が増えたり、楽しく参入する新たな担い手が増えるかもしれません。私たちは、問題や課題を一緒に考え、楽しさを分かち合う仲間として活動することで、より面白い未来が見えてくるといいなと思っています。