みんなの公園愛護会では、公園ボランティア実態調査を実施しています。公園ボランティアの担い手のリアルな声を集める公園ボランティアアンケートは、自治体との協力関係なしでは行えません。
2021年度の調査で、公園ボランティアアンケートに参加してくださった自治体の担当者さんに、参加の経緯や、アンケートから見えてきたことなどをお聞きしました。
今回は、大分市 公園緑地課の清原さんです。
みんなの公園愛護会の公園ボランティアアンケートへの参加を決めた理由は何ですか?
インターネットで公園愛護会の情報収集をしていた際に「つくし公園愛護会」のnoteを見つけ、それ以来、活動に注目していました。
アンケートで、分かったこと・見えたことは、何ですか?
活動の継続が難しいと感じている団体が思ったより多かったことです。
アンケートを実施して良かった点は、どのようなことですか?
団体ごとの現状や感想を詳しく知ることができたこと。
大分市として、これから公園ボランティアとともにどんな姿を目指していきたいですか?
公園愛護会の連携を図り、活動を補完するための協力ができるような体制づくり。
みんなの公園愛護会にこれから期待することは何ですか?
引き続き特色のある事例や情報を提供していただきたいです。
また、清原さんは、大分市内のある愛護会のユニークな活動も紹介してくださいました。
坂ノ市地区の尾田自治会の取り組みです。トップの写真の左が公園緑地課の清原さん、中央が尾田自治会の挾間老人会長、右が川野自治会長です。
愛護会存続危機が活動のきっかけに
尾田自治会では、これまで老人会や子ども会を中心に公園愛護会を結成し、地域内にある公園の管理を行ってきました。しかしながら、子どもたちは部活動や学習塾通いのため参加者が減少し、老人会は高齢化とともにパワー不足になり、次第に管理が不十分となり公園の荒廃が目につくように。
公園愛護会の廃止を検討するまで追い込まれたため、自治会を中心に3世代が力を合わせ、地域の公園は地域で守るとの意気込みで活動を見直し。
機械と特製トンボで雑草取り
まずは、尾田川土手の草刈りを行うボランティアグループ「リバーフレンド尾田」の応援により、遊具やフェンス周りの丈の高い雑草を草刈り機で処理。そして、耕運機を改造した“草おこし機”で雑草を取ることで、鍬や鎌等での手作業が大幅に減少。
特製のトンボで、登校前に公園に集まる小学生や、放課後の子どもたちが雑草の根付きを防止。早朝公園で実施しているラジオ体操のグループ「尾田さわやか体操クラブ」によるトンボ引きも効果を上げている。
子どもたちのお楽しみや世代交流も
公民館に備え付けた作業日誌にトンボ引きの記録を記入してもらい、ご褒美として終業式に合わせ図書券やノートを贈呈している。その結果として、子どもたちは公園を大切に使い、散らかさずに遊ぶようになった。
夏休みには70~80名の子どもと保護者がラジオ体操に励み、最終日には打ち上げとしてソーメン流しを行っている。その他、供養盆踊り、グランドゴルフ、有価物回収運動、もちつき大会等、公園を利用した3世代交流の楽しい事業を今後も継続していきたい。
【ご回答くださったのは】
清原 辰夫さん(大分市都市計画部 公園緑地課 参事兼庶務担当班グループリーダー)
公園の仕事をしていて良かったと思う瞬間は?:
以前から自治会役員として公園愛護会の活動を経験していたため、ボランティア活動の意義や苦労などが分かっており、市役所の担当として対応する際も、会員の皆さんと同じ目線で話をすることにより、協力をお願いしやすかったこと。