今回の『A Talk in the Park』では、スマホアプリを使って楽しく公園ボランティアの活動報告をしている事例として、茅ヶ崎市にあるスマイルパークこわだ愛護会に注目します。スマホを使ってどんなコミュニケーションをしているのか、愛護会と自治体担当者それぞれにどんな変化があったのかなど、スマイルパークこわだ愛護会代表の雫石剛さんと茅ヶ崎市公園緑地課の姫野智博さんに、『みんなの公園愛護会』代表の椛田里佳がお話をお聞きしました。
椛田 茅ヶ崎市では公園愛護会の活動充実化のためにPARKFUL Watch(パークフルウォッチ)のサービスを利用しているんですよね。
姫野さん はい。公園愛護会とのコミュニケーションや、愛護会活動を地域の人にもっと知ってもらうために利用しています。
雫石さん 毎月の公園愛護会活動の時に、その日の活動の様子を写真と一緒に投稿しています。ゴミの回収依頼など市役所への連絡も、これでやっていますよ。市役所からの連絡が来るとメールが届くから、アプリを開いて、確認しています。
姫野さん 自治体側では、パソコンの画面で市内の愛護会から投稿された活動の様子が見られ、ゴミ回収や剪定依頼などの連絡も写真つきで届くので、外に出ることも多い公園緑地課の業務とうまく並行しながら、効率的に取り組めています。
椛田 初めはどのようにスタートしたのでしょう?
姫野さん まずは愛護会全体に案内して、手を上げた愛護会から導入という手法にしました。まだ紙がいい、ITで効率化を図った方がいいなど、いろんな人がいるので、どちらかに寄るのではなく、どちらでも選べる体制をつくりたいというのが市としてはありました。
雫石さん 案内が来て、講習会に参加して、スタート。最初の登録さえできてしまえば、あとは大丈夫でした。
椛田 使い始めて1年半経って、いかがですか?
雫石さん 市役所との連絡が一番便利になりましたね。電話だと不在の時もあるけど、これで送っておけば、見てくれるから。見たら“確認しました”のチェックも入るし、安心ですよ。活動中に作業の風景を撮って、公園からそのまま投稿することもあります。家で送る時もあるし、どこでも使えるからね。
姫野さん 電話はもちろん必要ですが、ゴミの回収や木の剪定に関しては、写真を送ってもらえると、量や場所などわかりやすくて助かっています。公園が広かったり、木が生い茂っているところだと、電話ではうまく伝わらないこともあるので。
雫石さん この公園の生垣も年1回切ってもらっているんですが、端だけは伸びると見通しが悪くなって、危ないから「ここ切って」と写真で送って、切ってもらったんですよ。
椛田 本当だ、公園の隅の部分だけスッキリしてます。こういう危険が潜む所に目を配るって大事ですね。
雫石さん 写真を撮ってポンと送れるから。これは便利です。
姫野さん 紙で写真を貼り付けて、文章を書いて、要望書のような書類にして持ってきてくださる方もいますが、PARKFUL Watchがあれば、アプリ操作だけで、わざわざ市役所に出向いてもらう必要もなくなり、愛護会さんにとっても、手間が省略できると思います。アプリが間に入って、いろいろと事務を簡素化してくれていると感じています。役所内でも、これまでゴミ回収の電話を受けたら地図に落とし込んで担当職員に伝えて回収していましたが、みなさんが送ってくれた写真とコメントをプリントしてそのまま渡すようになり、効率的になりました。
椛田 効率化できる部分はテクノロジーに頼って、空いた時間とエネルギーを、公園の未来を一緒に考え話し合うことに使えたら、とってもいいですね。
雫石さん 愛護会内ではグループLINEを使っています。「雨だから今日は中止だよ」とか、連絡が便利になりましたね。それまでは電話の連絡網だったから、誰かがいないと止まっちゃう。グループLINEには、作業風景の写真も全部載せてます。市役所からの連絡も、みんなの公園愛護会からLINEで届くお知らせも、来た情報は必ず共有しています。
椛田 そんなふうにメンバーの皆さんに共有してくださるなんて、うれしいです!
雫石さん 普段の作業として、芝生や花壇の手入れをする姿や皇帝ダリアの成長記録も公開投稿しています。愛護会活動をする姿を出している人はまだ少ないから、もっと見たいですね。
姫野さん そうですね、もっともっと使う人が増えてほしいですね。講習会で実際使っている人の事例紹介をするなど、他の愛護会にも広げていって、いろんな活用の方法を探りたいです。使う人が増えればいろんな意見が出ると思うので、そういった活発な環境がどんどんできていけばいいなと思います。
雫石さん 将来的には、地域の祭りなどイベントの告知もできるといいですね。
姫野さん 年度末に提出していただく活動報告書も、アプリからの電子化対応ができたらいいですね。報告書の作成は、どの愛護会もやっていることなので、それがアプリでできたら、より効率的になって、やってみようと一つのきっかけになるんじゃないかなと思います。
椛田 今回お話を伺って、愛護会と自治体のコミュニケーションの大切さを改めて感じました。両者の日々の連携プレーが、良い公園をつくっていくのですね。これからも皆さんの活動を応援します。