A Talk in the Park 02 @師岡打越第三公園愛護会

誘われて活動しているうちに
気が付くと世代交代していました

子育て世代を中心に多世代で楽しく活動

 今回の『A Talk in the Park』では、公園利用者でもある子育て世代が中心となって、多世代で楽しく活動している事例として、横浜市港北区にある師岡打越第三公園の愛護会に注目します。先輩世代からどのようにバトンを受けたのか、多世代でどう楽しんでいるのかなど、中心メンバーである寺田さんご夫妻に、『みんなの公園愛護会』代表の椛田里佳が聞いてきました。

椛田 寺田さんご家族は、2017年にこちらに引っ越して来られたそうですね。

有梨さん はい。以前は都内で暮らしていましたが、子どもが産まれて保育園のことを考えたときに、2人の実家にも近いということで、ここを選びました。その頃は公園愛護会のことは知らず、家の前に公園があるのは素敵だね、なんて感じでした。

椛田 どういう経緯で公園愛護会に参加されたのですか?

有梨さん 引っ越して来てすぐに、ご近所の方が挨拶に来てくださった時に「今度ここの公園でお掃除があるから、よかったら参加してね」って言われたのがきっかけです。近所の方はみんな参加しているし、楽しいからいらっしゃいって。

大地さん 後から聞いたのですが、新しいファミリーが越してきたから、みんなで声をかけて愛護会に誘おうって計画があったらしいです(笑)。

椛田 当時の愛護会のメインは、長く活動されてきた方たちですよね?

有梨さん はい。この公園ができたのが約30年前で、その時に愛護会が発足したと聞いています。公園のお掃除はもちろん花壇作りにも取り組んで、その活動が表彰されたこともあったみたいです。ただ、メンバーの高齢化や参加者の減少によって管理が行き届かない箇所が増え、もどかしさを感じていたようです。手をかけてきた花壇だからこそ、想いが強かったのだと思います。

地域と繋がったきっかけは愛護会

大地さん 僕たちも最初は愛護会に入ったという感覚ではありませんでした。でも参加してみたら、汗かきながらしゃべりながらで楽しくて。

有梨さん 最初に参加した時、みんなで集合写真を撮ったのですが、後日、当時の会長さんがそこに写っている人の名前を書いて持って来てくださって。そのおかげで、引っ越して早々にご近所さんの顔と名前が一致したので、とてもありがたかったですね。

椛田 それ、すごく素敵なアイデアですね。

有梨さん そういったこともあって、なんだかとても気持ちよく巻き込まれた感じです。

椛田 寺田さんが愛護会の活動に参加し始めてから、どれくらいで世代交代することになったのでしょうか。

有梨さん 正式に引き継ぎの手続きをしたのが2020年なので、2年くらいですかね。引き継ぐといっても、今まで通り先輩メンバーもアドバイザーとして参加してくださるとのことでしたので、それほどプレッシャーには感じませんでした。

多年草に変えて作業負荷を軽減

椛田 確かに、先輩たちも継続して活動に参加してくれるのは心強いですよね。若い世代に引き継いでから、活動に変化はありましたか?

有梨さん まずは花壇。以前のような綺麗な花壇を作りたいけど、みんな子育てに忙しいし共働きの家庭も多いので、あまり労力はかけられないよね、と若いメンバー同士で話していました。

大地さん 実は引っ越してきてから自宅の庭づくりのために近所の園芸屋さんに通っていたところ、ローメンテナンスでも素敵に見える植栽のスタイルがあることを教えてもらったんです。これを公園に応用できたらいいな、と思いついて。

有梨さん それで、「やりたい花壇のイメージがあるですけど」と話してみたら、みなさんも賛同してくださったので、新しい方法を導入することになりました。具体的には、ナチュラリスティックガーデンと呼ばれる多年草や球根を使った花壇です。季節による変化や枯れる姿も楽しめます。

椛田 先輩メンバーの反応はどうでしたか?

有梨さん 前の会長さんはじめ、30年も続けてきたメンバーのみなさんは、お花がとても好きで、花壇にはとてもこだわっていたので、そのやり方を変えて良いものか悩みました。でも、「こういうのはどうですかね」って相談してみたら、「いいよ、やってみよう」と、好意的に受け止めてくださったので良かったです。

大地さん 全くゼロにして作り直すのではなく、前の会長さんにいろいろ話をうかがいながら、今ある植物の良いところは残して、特性に合わせて植物の配置を換えるようにしました。植物の配置に関しては、園芸屋さんに聞いたり、本を買って調べたり。

有梨さん そうそう、家族で作戦会議したり、公園に図鑑を持参して植物を観察したり、写真に撮って記録に残したり。そうした過程もまた楽しくて。

情報発信で増えるコミュニケーション

椛田 愛護会のフェイスブックページ『師岡みんなの花しごと』を拝見しましたが、みなさんで花壇作りを楽しんでいる様子が伝わってきますよ。

大地さん フェイスブックでの発信も僕たち世代に引き継いでから始めたことだよね。

有梨さん 最初は記録を残すことが目的だったのですが…。

大地さん やっているうちにハマっちゃったね。

有梨さん そうなのです。育休中だったり、コロナ禍だったりで、息抜きじゃないですけど、子どもと一緒に公園で楽しめること、仕事以外で取り組めるライフワークが欲しいなと思っていたところだったので、愛護会の活動と発信はまさにピッタリでした。始めた当初は全然反応がなかったのですが、次第に他の公園愛護会の方と繋がったり、行政も注目してくれるようになったり、少しずつ効果が出てきているみたいです。

椛田 そうですよね、若い世代が積極的に公園愛護会の活動をしていたら、行政も注目したくなりますよね。

大地さん 僕たち世代が引き継いでからは、行政の方と頻繁に連絡を取るようになりました。相談してみると親身になってアドバイスやサポートをしてくれ、とても心強く感じています。

椛田 公園内の掲示やお知らせも素敵なんですよね。植物の情報や活動の様子を紹介する「花しごとだより」や、ゴミ持ち帰りのサインとか。

有梨さん これを見て、近所の若い世代が気軽に公園愛護会に参加してくれたらいいな、という思いもありました。活動の写真をプリントして、次回のお知らせと一緒に、ご高齢の方のお宅に届けたら、喜んでくれて。赤ちゃんから80代まで多世代が参加する活動になっています。

椛田 写真の恩返し!(笑)。とても楽しく活動されているようですね。

子育て家族と公園の大きな可能性

大地さん そうですね、公園が自分たちの暮らしの一部になったのかもしれません。

有梨さん 愛護会の活動が家族の行事になりましたし、花壇や公園が共通の趣味になっているのでご近所の方とも話題が絶えません。その影響でしょうか、子どもたちも花遊びに慣れて、今では花壇作りの立派な戦力になっていますよ。

椛田 今回寺田さんご夫妻にお話を伺って、子育て世代の楽しみとしての公園ボランティアの可能性を感じました。これからも、いろいろな会話をしながら、一緒に繋がりを広げていけたらと思います。

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