連載コラム
2025/9/24

ITで「公園をもっと楽しく、もっと身近に」したい!

PARKFUL

公園ボランティアに関わるさまざまな人がその活動や思いを綴る「みんなの公園愛護活動 連載コラム」に新しい仲間が増えました。公園に関するDXサービスを展開するパークフルの島田佳汰さんです。


こんにちは、パークフルの島田です。今年の4月にパークフルに転職し、初めて公園に携わることになりました。 公園の仕事は未経験ですが、学生時代には、地方に住み込みながら海外の方たちと一緒にお茶やお米を育てたり、インドネシアでゴミ拾いや子どもたちへの環境教育を行ったりと、地域や環境に関わるボランティア活動に参加してきました。

今回から、公園情報発信や公園ボランティアのためのDXツールを提供している我々パークフルの連載を始めたいと思います。みんなの公園愛護会には、公園ボランティアなど公園育ての活動を応援するサービス「PARKFUL Watch」の開発プロジェクトチームに入ってもらっていて、茅ヶ崎市のスマイルパークこわだの事例はご覧になった方も多いかもしれません。

連載初回となる今回はまず、PARKFUL(パークフル)の紹介からはじめたいと思います。

公園をもっと楽しく、もっと身近に

これは、PARKFULが出来た時からずっと掲げている言葉です。

公共施設の中でも、公園はとくに開かれた空間で、いつでも、誰もが利用することができます。だからこそ、地域の多様な人々の居場所となり、交流やコミュニティの拠点となる可能性をもった場です。

人が集うということだけでも地域の賑わいにとっては価値のあることですが、さらに公園は、子育て、健康づくり、防災、緑化など、公園は実に多様な役割を持っています。公園を魅力的にすること、たくさんの人に利用してもらうことは、こうした多様な地域課題に向き合うことであり、ひいては地域全体の魅力の向上につながると考えています。

PARKFULは、こうした公園の多様性を伝えていくとともに、そんな公園を”日常”の一部としていかに楽しみ、可能性を活かしていくかという視点でサービスを展開しています。

今回はそんなサービスを3つご紹介します。

PARKFUL Media:まだ知らぬ公園を探しに行こう

(PARKFULでは、地図から公園を探したり、設備から検索したり、公園の大きさや様子もわかります)

「公園をもっと身近に」。そう考えたとき“情報”も大事な要素であると考えました。「知る」ことができて初めて興味を持ったり行くことにつながります。しかし公園の情報はこれまであまり十分に発信されてきませんでした。公園の管理をする自治体ごとに分散しており、情報量も質もさまざま。身近な場所であるはずの公園ですが、その情報はとても手の届きにくい所にありました。

PARKFULではアプリやWebメディアを通じて、全国の公園の情報をより手軽により多くの人に届けるため、情報の整理と可視化に取り組んでいます。

そこからみなさんが公園に行くきっかけを作っていきたいと考えています。

例えば、管理者の境目を気にせず訪れた先で公園を探すことができる「地図機能」や個々人によって異なる公園に求める設備や機能をそれぞれが抽出して探すことができる「検索機能」。そんなことができる、ありそうでなかった公園だけに特化した超ニッチなメディアです。

・公園専門Webメディア「PARKFUL.net
・公園情報アプリ「PARKFUL

PARKFULを使って自分だけの癒しの公園を見つけたり、毎日の子どもとの遊びに新鮮さが生まれたり、もしもの時のための避難場所を知っておいたり…。そんな風に様々な切り口で、誰かの日常に少しでも役立てば嬉しいです。

PARKFUL Rental:公園でやってみたいをやってみよう

(やってると思わず立ち寄ってしまうマルシェ)

公園が交流や地域コミュニティの拠点として活用される時、必要なのが管理者への申請手続きです。管理者ごとにその手続きは異なりますが、その多くが指定場所に足を運び、手続きを行う必要があります。決められた場所へ決められた時間内に訪れる必要がある手続きは、申請者のひとつのハードルとなり、誰でも気軽にチャレンジできる状況ではありませんでした。その事実は、公園が多様な交流やコミュニティの場として活用されないひとつの理由ともいえるかもしれません。

そこで、PARKFUL Rentalではインターネットで誰でも簡単に各種手続きの申請を行うことができ、遠方の公園への手続きも、昼間に時間がとれないという方も、公園でこんなことをしてみたいというアイデアをまず管理者へ届けることが簡単にできます。

・公園レンタルのオンライン申請サービス「PARKFUL Rental

個人クリエイターのマルシェを開催してみたい、青空の下で皆とヨガをしてみたい、そんな秘めた思いをいつも行っている公園で実現できた!

そんな風に地域の方にとって、新しい試みが試せる場であったり、誰かと何かを楽しむ場としても、公園が当たり前に選択できるようになれればと思います。

PARKFUL Watch:公園を育ててみよう

(何気なく咲いているお花も誰かがお手入れしているからこそ)

公園の日常的な清掃などの管理方法は様々ですが、市民によるボランティアでの取り組みは全国で行われています。

その実態はあまり知られておらず新しく始める人が少ない上、ボランティアの高齢化が進み、活動できなくなる団体もあると聞きます。

こういった活動を実際にされている方に話を聞くと、公園の衛生面を維持することが最初の目的ではありますが、個人ではできない規模の植物管理ができたり、ご近所さんとコミュニケーションを取る機会となっていたり、様々な楽しみややりがいを見出していることが分かってきました。公園を維持管理するという形で、個人が地域と繋がるきっかけになっているのです。

PARKFUL Watchでは、そういった公園の日常的な維持管理を行う団体の煩雑な作業をスマートフォンアプリを通じて軽減し、さらに地域にその活動を発信することができます。また、公園を包括管理している自治体とも、アプリを通じて業務連絡をとることができます。

・公園の維持活動を管理.発信する自治体DXサービス 「PARKFUL Watch

小さな公園でも定期的な維持管理がされている公園は居心地がいいですし、花壇や掲示板から、その細やかな手入れ具合は伝わってきます。そういった活動がもっと多世代の方に伝わり、ひとりでも参加してみたいと思えば、その公園の、もっと言えば、地域の居心地の良さにも繋がるのではないでしょうか。

これから描いていきたいこと

PARKFUL Watchは、愛護会、自治体の双方の効率化に繋がるコミュニケーションツールです。ただし、そこだけではありません。最終的には、PARKFUL(アプリ/WEB)と連動して、愛護会の活動を市民の方に知ってもらったり、そこの公園を使う市民の方が公園を好きになって、発信したり、とそんなコミュニティが生まれる場に育てていきたいと考えています。

公園管理の仕事は、自治体だけでは完結しません。いま、この公園がどんな状態か、誰が守っているか、が見えることが、地域と人の信頼関係を支える土台になると思うのです。

取材・執筆
取材・執筆
島田 佳汰

大学時代は、国際交流と環境保全に興味をもち、京都や福岡インドネシアなどで環境保全ボランティアに参加。その後、観光業界でさまざまな仕事を経験する中で、テクノロジーの力で業界の課題を解決するDXの重要性を認識。2025年に公園DXに取り組むパークフルにジョイン。https://parkful.net/

大学時代は、国際交流と環境保全に興味をもち、京都や福岡インドネシアなどで環境保全ボランティアに参加。その後、観光業界でさまざまな仕事を経験する中で、テクノロジーの力で業界の課題を解決するDXの重要性を認識。2025年に公園DXに取り組むパークフルにジョイン。https://parkful.net/

取材・執筆
みんなの公園愛護会の書籍紹介 学芸出版社

みんなの公園愛護会初の書籍。「推しの公園を育てる!公園ボランティアで楽しむ地域の庭づくり」が学芸出版社から刊行されました。全国各地の推しの公園活動やボランティア運営のヒントが紹介されています。ぜひ手にとってお読みください。https://park-friends.org/books/book1/

みんなの公園愛護会初の書籍。「推しの公園を育てる!公園ボランティアで楽しむ地域の庭づくり」が学芸出版社から刊行されました。全国各地の推しの公園活動やボランティア運営のヒントが紹介されています。ぜひ手にとってお読みください。https://park-friends.org/books/book1/

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